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千葉大学柏の葉カレッジリンク・プログラム
佐々木正巳教授(玉川大学学術研究所長・ミツバチ科学研究センター長)
ミツバチの世界
初めて小笠原村に定住したアメリカ人の直系の子孫、瀬堀エーブルさんが手がけた蜂蜜。 ハチの種類は“西洋ミツバチ”で、日本の西洋ミツバチはここ小笠原が発祥といわれています。
ビョウタコノキの雄花に多くのミツバチが集まっていた。(2012年11月1日撮影:父島:奥村地区)
【1】 働き蜂が微妙な匂いで近親交配防止の為に近親交配した卵を除去して殺します。
【2】 女王蜂が誕生した時は、働き蜂が特殊な低周波(音階のド~一オクターブ低いドの範囲)を発生し全蜂に知らせお祝いをする。その際、全ミツバチの動きが完全に止まる。
【3】 日本ミツバチは、ススメバチとの戦い方法を知っており巣の中にススメバチを誘導した後に多数のミツバチが取り囲んで40度の熱で殺す。反対に、西洋ミツバチは37度の熱しか出せづ3度の差でスズメバチを殺せず戦う方法を知らずスズメバチへ突撃し多数殺される。
【4】 女王蜂と働き蜂の毒性は異なり、女王蜂の毒は殺傷性があるが、働き蜂の毒性は「痛み」の警戒指示を意味する毒であり人間死亡例は殆ど実例がない。
【5】 サウジアラビヤで多数・少数のミツバチのコロニーの温度測定結果は、多数:35℃と少数:70℃で冷房機能はミツバチの数の多さが大きく影響する。
【6】 人口の蜂蜜にはミツバチは近づかない。夏場は濃度の薄い蜂蜜を好みコロニー冷房にエネルギー発生させて密濃度は高くなる。反対に、冬は濃度が高い蜂蜜を好む。
【7】 女王蜂は2000個/日の卵を産むが、この全重量は女王蜂重量に匹敵する。
【8】 多数の雄からの精子は攪拌し7割を外へ排除し3割を貯精子袋で保存する。貯精子袋は、気温35℃環境下で何年も精子を保存することが出来る。働き蜂を生ませる場合は精子をかけないで、通過時卵管を細めて圧力をかけるだけで卵から雄の働き蜂が生まれる。
【9】 ミツバチは、1mgの蜂蜜で2Km飛ぶ事ができる。コーヒー用スチィックシュガーは3gで、3g蜂蜜で600Km(東京⇔青森・岡山)を飛ぶことが可能である。昆虫界では能率は良くない部類である。
【10】 養蜂箱コロニーの片面板に約1000匹おり両面で2000匹となる。
【11】 花の中でかぼちゃの花が一番蜂蜜が多い。
【12】 ネズミが養蜂箱内で死んでいたら、ミツバチはプロポリスで全体を覆って腐食防止している。
【13】 東京の信濃町中心からミツバチの移動範囲を測定した結果、北方向(皇居・東京駅方面)へは移動しない事が明らかになった。その理由は、はっきりとは割らないが中央線が地上を走って異常電磁波発生が原因と推測している。
【14】 ミツバチの学習能力を持っており、10分間隔で3回学習させるとコロニー環境のミツバチは忘れない。隔離すれば時間がたてば忘れる。
【15】 銀座のミツバチの採集密は他地域と比較して非常に大量の密が採れ1箱当り50kgである。
【16】 ミツバチの情報交換方法はダンスで発生させる250ヘルツ振動でコミュニケーシオンを行っている。
【17】 マルハナバチ(足長バチ)の顔想は一見して各々異なっている。ハウスの蜜が無いトマト花から花粉採取方法は、個別体で異なっている。これは、学習方法が異なることが起因している。
【18】 寿命は、働き蜂は約1ヶ月。
【19】 働き蜂は、晴天時間は余り働かない。それは、花が余り開いていない情報を収得している。又、ダンス情報でどの位置で密が取れる情報を交換して効率良い採取しているが、距離に敏感で遠く所に密が多量にある情報を得ても往復移動で消耗する蜂蜜量を考慮し飛んでいかない。
【20】 ミツバチの蝋で作る蝋燭は古い教会で現在でも採用されている。
西洋ミツバチは、蜜収集の植物種は決めた種の蜜を採取するが、日本ミツバチは、色んな種の蜂蜜を収集する傾向にある。巣に戻ってくる確立度は、西洋ミツバチの方が高い。
【21】 ミツバチヘギイダニは、蜂蜜へ直接吸血して新型ウイルスを伝染させる。アカリンダニも2009年に寄生が日本ミツバチから発見され感染率は10.9%で飛脚力の低下と越冬中の死亡率が高くなっている。
【22】 全世界顕花25万種の内90%がハチをはじめとする昆虫での受粉が行われている。
【23】 フランスは、ミツバチの環境への重要性を認識し道路沿いに密源植物を3年間(2010~2012)で12,000kM(東京⇔福岡)で実施。
【24】 ミツバチは0g(無重力)状態でも飛ぶことを確認した。⇔ 宇宙空間農業での受粉が可能である。